自立生活運動の動向 SSKA頸損No.131

SSKA頸損No.131 2020年6月17日発行

自立生活運動の動向

PDF 自立生活運動の動向

愛媛頸髄損傷者連絡会
会長 井谷重人

 私は愛媛県松山市で「CIL星空」という自立生活センターを運営し、全国自立生活センター協議会(JIL)では常任委員を務めております。ここでは皆様に、JILの活動をいくつか紹介できたらと思います。

・優生思想に関する様々なニュースについて
 7月26日に、認定NPO法人DPI日本会議、「ともに生きる社会」を考える神奈川集会・実行委員会、
 全国自立生活センター協議会(JIL)の3団体より、『「相模原障害者殺傷事件」から4年、コロナ禍で迎える7.26声明』を出しました。
 コロナ禍の中で、大西つねき氏の「命の選別」発言があり、ALS嘱託殺人事件が起きました。相模原障害者殺傷事件から4年経ちましたが、社会は「誰もがありのままでいられる」ものとはほど遠く、ことあるごとに優生思想の議論が浮上します。その中で、発言や事件が優生思想かどうか?という意見を目にしますが、そもそも人の命について議論するテーブルがあること自体おかしいことであり、「いつそこに親しい人や自分が乗せられるのかもしれない」と思うと、とても恐怖を感じます。
 沈黙は同意と同じです。すべての優性思想にノーと言わなければならないし、障害者団体が力を合わせて声を上げていくべきだと思います。

・JIL新型コロナウイルス対策本部の設置
 世界中で猛威を奮っている新型コロナウィルス(COVID-19)は、感染の急激な広まりの危険性が続いています。JILは、どんな重度な障害があっても必要な支援を受けながら自分の住みたい地域で暮らすことを支えている自立生活センターの全国組織であり、加盟団体の多くが訪問系サービス事業を行っています。生活介護や就労支援といった通所系サービス事業を行っている団体も少なくありません。各センターが考え得る必要な対策を取ることが求められてきましたが、それも長期化してきています。
 JILとしては、情報の冷静な分析と共有をすることを目的にJIL事務局内に対策本部を設立し、専用ホームページを作成し情報を提供しています。是非参考にしていただけたらと思います。

・ドキュメンタリー映画『インディペンデントリビング』の上映
 障害当事者が運営する自立生活センターを舞台に、自らも介助者として働く田中悠輝監督が、家族の元や施設を離れ、自立生活を希望する人たちの姿を3年にわたり撮影し、日本の自立生活運動の現在と未来を描き出す映画を完成させました。
 2020年1月11日に大阪の第七藝術劇場にて上映が開始され、初日は立ち見が出るほど満席。その後も大盛況でロングランされました。そこから全国の映画館で上映されていくという中…コロナの影響で上映が一時ストップしてしまいました。しかしその間、コロナ対策としてインターネット配信を行い、話題になるという場面もありました。現在は除々に上映が始まりネット配信も期間を延長して行われています。
 自立生活センターが、人の生き方を変える「自立支援」をどのような思いで行っているか知ってもらえる素晴らしい作品です。介助派遣を使ったただの一人暮らしではなく、どうして「自立生活」なのか、観る人の立場から考えていただけると幸いです。

全国自立生活センター協議会(JIL)ホームページ
http://www.j-il.jp/


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